
就職・転職やキャリアパス、学び、スキルなど役立つ情報を紹介します。
2024.10.09
建築設計業界で本当に使える資格一覧・難易度や取得条件も解説
建築設計に関わる資格は数多く存在します。
それは建物をゼロから設計し、実際に使用可能な状態にするまでには、さまざまな工程や高度な技術が必要だからです。
本記事では、建築設計に関連する資格を一覧で紹介し、それぞれの受験資格や取得のメリットについても詳しく説明します。
将来の夢を実現するために、どの資格を取得するべきかを明確にすることができるので、是非最後までお読みください。
こんなにある建築設計の資格
建築設計の仕事と一口に言っても、企業や部署、ポジションによって求められる資格はさまざまです。
ここでは、数多く存在する建築設計の資格を「設計」「施工」「その他」に分類して一覧にまとめました。
段階的に上位の資格を取得する方法や、複数の資格を組み合わせて取得するケースについても触れていますので、現在の業務や将来のビジョンに合わせて適切な資格を選んでください。
設計関連の資格
建築を目指す人にとって、まず思い浮かぶのは設計の仕事でしょう。
設計といえば一級建築士が代表的ですが、実は他にもさまざまな資格があります。
資格によって取り扱える建築物が変わったり、より専門的な設計に関わることができるので、自分に合った取得計画を立てましょう。
一級建築士
一級建築士受験資格
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などで指定科目を修め卒業した者
・二級建築士
・建築設備士
・外国の大学を卒業したなど、その他国土交通大臣が特に認める者
上記はあくまで受験資格であり、合格後に最低でも2年間の実務経験を経て建築士を名乗れるようになります。
全5科目の学科試験に合格後、製図試験に進みます。
近年の学科と製図を合わせた総合合格率は約10%です。
一級建築士の資格があれば、規模や構造を問わず全ての建築物を設計することが可能になります。
難易度が高いだけに、取得すれば大きな信頼を得られる資格です。
二級建築士
二級建築士受験資格
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などで指定科目を修め卒業した者
・建築設備士
・建築関連の学歴がない場合、7年以上の実務経験がある者
・外国の大学を卒業したなど、その他国土交通大臣が特に認める者
近年の学科と製図を合わせた総合合格率は約23%から約25%です。
二級建築士は高さ13m、軒高9mまで、延べ面積1000㎡までの木造建築物の設計が認められています。
規模はさらに制限されますが、鉄筋コンクリート造など木造以外の構造建築物の取り扱いも可能です、
木造個人住宅はほぼ全ての建物に対応できるので、ハウスメーカーなど勤務する企業によっては二級建築士の取得を優先するのも良いでしょう。
木造建築士
木造建築士受験資格
・大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などで指定科目を修め卒業した者
・建築設備士
・建築関連の学歴がない場合、7年以上の実務経験がある者
・外国の大学を卒業したなど、その他国土交通大臣が特に認める者
木造建築士は2階建までの木造建築物で延べ面積が100㎡を超え300㎡以内の建築物を設計できます。
合格率は40%前後と、二級建築士より若干難易度は低いのですが、同じ受験資格であれば二級建築士を目指す人も多いでしょう。
古民家リノベーションや、工務店で大工職を専門とする場合には、メリットのある資格です。
施工関連の資格
建築士が作成した設計図に基づいて実際の工事を進めるのが施工業務です。
総合建築会社、いわゆるゼネコンでは、同じ会社内の異なる部署が設計と施工をそれぞれ担当することが一般的です。
一方、設計事務所の場合は、建築士が設計を行い施工は別の建築会社に依頼するケースも多く見られます。
就職先の企業の業態や配属される部署によっては、現場での業務に必要な資格が求められることもあります。
建築設備士
建築設備士資格は、学科試験と設計製図試験の2つの試験で構成され、その合格率は15%〜20%なので難易度の高い資格と言えるでしょう。
この資格を取得することで、建築士に対して電気、空調、給排水など建物のインフラ設計に関する助言を行うことができます。
ただし、建築設備士の資格がなくても業務を行うことは可能なため、資格取得自体を最終目標にするケースはそれほど多くはありません。
一級建築士や二級建築士の受験資格を得るため、または設備設計の専門性を高めるために、資格を取得する人が多い傾向にあります。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、いわゆる現場監督として施工現場で重要な役割を果たす専門職です。施工のスケジュール管理や現場の安全管理を担当し、設計士や現場の職人とのコミュニケーションを密に行うことで、プロジェクトを円滑に進める責任を負っています。
建築施工管理技士資格には一級と二級がありますが、一級は担当する建築物の規模に制限がありません。
タワーマンションやショッピングモール、再開発プロジェクトなどの大規模案件にも携わることも可能です。
一級試験の合格率は、一次検定・二次検定ともに約45%前後であり、比較的難易度の高い資格とされています。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士の仕事は建物の電気設備を管理することです。
具体的には施工スケジュールの作成、安全や品質の管理です。
電気工事施工管理技士 資格には一級と二級があり、工事総額の規模により取り扱える範囲が決まります。
一級試験の合格率は一次検定が約40%、二次検定が約60%です。
その他仕事の幅が広がる資格
建築設計の世界では必須ではないけれど持っていると有利な資格もあります。
ここでは設計や施工関連の基本的な資格以外にも、自身のキャリアアップのためにおすすめしたい資格を紹介します。
CADオペレーター
CADとはパソコンを使って設計図を作成するためのソフトウェアです。
自分自身の設計図を作成するだけでなく、建築士の指示に基づいて設計図を作成したり、既存の紙図面をデータ化する役割を担うことが多いです。
CADの技術を習得すれば、派遣や在宅スタッフなど、多様な働き方が可能になる点が大きなメリットです。
関連する資格として「建築CAD検定」や「2次元CAD利用技術者試験」などがありますが、必須となる資格ではありません。
しかし設計事務所での実務において効率性を高めたり、転職や昇給を目指す際には、これらの資格が有効です。
インテリアプランナー
インテリアプランナーの仕事は、室内空間を総合的にデザインすることです。
家具の選定やファブリックの色決めだけでなく、図面を作成し部屋全体のプランニングを行うことが求められます。
インテリアプランニングは、建物の設計や設備設計とも密接に関連しているため、建築設計の分野では重宝される資格です。
インテリアプランナー資格は民間資格で、受験資格がないため誰でも挑戦できます。
学科試験はしっかりと準備すれば、比較的容易に合格できますが、製図試験は難易度が高く、かなりの努力が必要です。
建築士資格を持っていれば学科試験が免除される上、建築主への提案力も向上するため、取得しておくと非常に有用な資格と言えるでしょう。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や身体に不自由のある方が安全で快適に生活できる住環境を整える仕事です。
高齢化が進む中で、この分野のニーズはますます高まると予想されます。
また、介護のための新築や改修工事に際して、自治体に補助金を申請する場合は、この資格が大いに役立ちます。
福祉住環境コーディネーターの資格は、一級から三級までの段階があり、二級を取得すると補助金申請書類の作成、一級では改修工事のプラン作成が可能です。
過去問題をしっかりと対策すれば、独学でも十分に資格取得が目指せるでしょう。
宅地建物取引士
不動産業界で知られる資格「宅地建物取引士(宅建)」ですが、建築士の中にもこの資格を持っている人は多くいます。
建築設計において土地や建物が、法律や法令に適合しているかどうかは非常に重要であり、宅建と建築士の両方の資格を持つことは大きなメリットになります。
宅建の試験は受験資格がなく、選択式の学科試験のみで構成されているため、誰でも取り組みやすい資格といえます。
しかし合格率は10%台後半とそれほど高くはありません。
実務経験で得た知識を活かし、試験対策をしっかり行った上で受験に臨むことが大切です。
どの資格を取ればいいの?目的別のおすすめ資格
昇給・スキルアップしたい
建築設計の仕事でより良い待遇を目指すなら、まずは二級建築士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
二級建築士を取得すれば、軽鉄骨や3階建てなどを含む、ほとんどの住宅を手掛けることが可能です。
この資格を活かして実績を積み重ねることで、一級建築士へのステップアップも視野に入れることができます。
さらに、建築施工管理技士や電気工事施工管理技士の資格を取得すれば、現場での業務にも携われるようになり、出張や時間外労働が伴うことで、実質的な昇給にもつながります。
独立開業したい
自らの名前を掲げた設計事務所を立ち上げたいと考えているなら、一級建築士と宅地建物取引士のダブル資格がおすすめです。
どれだけ優れた設計図を描いても、適切な土地がなければ建設は実現しません。
不動産売買や建築法に精通することで、建築主からの信頼を獲得しやすくなり、建築家としての成功に近づくでしょう。
転職してキャリアアップを目指したい
転職を考えるのであれば、一級建築士の資格はぜひ取得しておきたいところです。
高収入が期待できるゼネコンへの転職を希望するなら、さらに専門性の高い構造設計一級建築士の資格を取得することで、採用されるチャンスが広がります。
また、ディベロッパーも高収入を見込める分野です。一級建築士と宅建の資格を持っていれば、再開発などの大型プロジェクトに携わる夢を実現できるでしょう。
数ある建築設計の資格を取得する方法は?
大学・専門学校に通う
建築士をはじめとする建築設計関連の資格の多くは、指定された科目を修了することが受験要件となっています。
学歴がない場合、資格を取得するためには長い実務経験が必要になるため、大学や専門学校を卒業することが資格取得への最短ルートです。
有名な教授から直接授業を受けられるほか、資格以外の幅広い教科を学べるのも大きな魅力です。
社会人になってからでも夜間や通信制で学べる学校があり、仕事と両立しながら学べるので、早くキャリアアップを目指す人には最適な方法です。
資格スクールを活用する
資格専門のスクールに通うのも効果的な方法です。
受験要件としての学歴にはならないものの、建築学科の大学生が資格取得のために予備校として通うケースもあります。
授業は資格試験対策に特化しており、学科試験と製図試験それぞれに対応したクラスが用意されているのが一般的です。
費用や受講回数を自分に合った形で選べるため、自分で問題集を揃えたり、学習スケジュールを立てる手間が省けます。
忙しい社会人でも学びやすい環境が整っているのが大きなメリットです。
まとめ
建築設計業界で本当に使える資格一覧や難易度を解説させていただきました。
ぜひ、キャリアアップの参考にしてください。

