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2026.10.29
【2026年度版(最新)】設備設計一級建築士の修了率・受講者数の推移!講習から建築士証交付までの流れも徹底解説
設備設計一級建築士は、一定規模以上の建築物の設備設計に必ず関わることが法律で定められた、一級建築士の上位資格です。取得には一級建築士として5年以上の設備設計の実務経験に加え、登録講習機関の講習を受けて修了考査に合格する必要があります。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 制度概要)」
この記事では、設備設計一級建築士の役割、講習と修了考査の内容、直近5年間の修了率、申込から設備設計一級建築士証の交付までの流れを、公的機関が公表しているデータをもとに解説します。記事の最後には、掲載した数値が本当に正しいかを検証した解説も載せています。
設備設計一級建築士とは
設備設計一級建築士の役割
設備設計一級建築士は、高度な専門能力が必要な建築物の設備設計を担う資格者です。対象となる建築物は、設備設計一級建築士が自ら設計するか、他の一級建築士が設計した場合は設備設計一級建築士による「法適合確認」を受けなければなりません。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 制度概要)」
設備設計一級建築士の関与が必要な建築物
関与が義務付けられているのは、階数が3以上で、床面積の合計が5,000平方メートルを超える建築物です。設備設計一級建築士が設計した場合は設備設計図書にその旨を表示し、それ以外の一級建築士が設計した場合は設備設計一級建築士に設備関係規定への適合確認を求めなければなりません。
設備設計一級建築士証の交付要件
設備設計一級建築士証は、一級建築士として5年以上設備設計の業務に従事したあと、登録講習機関が行う講習の課程を修了した一級建築士が、国土交通大臣に申請して交付を受けます。講習の修了は「申請前1年以内」であることが条件です。
引用:「e-Gov法令検索(建築士法 第10条の3第2項)」
これまでの修了者数
建築技術教育普及センターによると、設備設計一級建築士講習の修了者数は令和8年1月23日現在で7,093名です。このうち2,727名は、制度開始時の「みなし講習修了者」です。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 制度概要)」
設備設計一級建築士になるための講習と修了考査
受講資格
受講するには、一級建築士として5年以上、設備設計の業務に従事していることが必要です。設備設計のほか、建築設備に関する工事監理、消防同意に関する業務、建築確認の建築設備に関する審査とその補助業務、建築設備士として行った建築設備に関する業務(一級建築士になる前の業務を含む)も実務経験として認められます。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 制度概要)」
一方で、施工管理、意匠設計や構造設計など設備設計以外の設計、積算、研究・教育は実務経験に含まれません。設備設計の補助業務と建築設備工事監理の補助業務は、平成25年10月1日以降のものは認められない点にも注意が必要です。令和8年度は、一級建築士登録日から令和8年9月8日までの期間を算入できます。
引用:「建築技術教育普及センター(令和8年度 設備設計一級建築士講習 受講要領)」
講義の内容(3日間)
講義は3日間で、会場受講か配信動画の視聴のどちらかを申込時に選びます。令和8年度の配信期間は9月9日から9月30日まででした。欠席や動画の視聴が終わっていない場合は、修了考査を受けることができません。
引用:「建築技術教育普及センター(令和8年度 設備設計一級建築士講習 受講要領)」
| 日程 | 時間 | 科目 |
|---|---|---|
| 第1日 | 10:00〜11:30 | 建築設備関係法令 |
| 第1日 | 11:30〜12:00 | 建築設備設計総論 |
| 第1日 | 13:00〜17:30 | 法適合確認 |
| 第2日 | 10:00〜12:30 | 給排水衛生設備の設計技術 |
| 第2日 | 13:30〜17:30 | 空調・換気設備の設計技術 |
| 第3日 | 10:00〜12:30、13:30〜14:00 | 電気設備の設計技術 |
| 第3日 | 14:00〜15:00 | 設計事例・工事監理 |
| 第3日 | 15:00〜17:30 | 輸送設備の設計技術 |
引用:「建築技術教育普及センター(令和8年度 設備設計一級建築士講習 受講要領)」
修了考査の内容
令和8年度の修了考査は11月15日に行われます。午前は「法適合確認」(10:00〜12:00、記述式)で、空調・換気、給排水衛生、電気、輸送の4分野から各5問が出題され、すべて必須です。午後は「設計製図」(13:15〜17:15、記述式及び製図)で、設備計画10問(必須)に加え、空調・換気、給排水衛生、電気から1分野を選んで3問に解答します。修了考査は、講義を動画で受けた人も含めて全員が会場で受けます。
引用:「建築技術教育普及センター(令和8年度 設備設計一級建築士講習 受講要領)」
建築設備士の資格を持ち所定の業務経験がある人は、講義と修了考査のうち「建築設備に関する科目」が免除されます。また、法適合確認か設計製図のどちらか一方に合格した場合は、申請により講習実施年度の初めから3年以内に受講する際、その科目の講義と考査が免除されます。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 制度概要)」
受講手数料
受講手数料は申込区分とテキストの有無で異なります。クレジットカード決済の場合の金額(税込、事務手数料込み)は次のとおりです。コンビニ決済やPay-easy決済では事務手数料の額が変わります。
| 申込区分 | テキスト有 | テキスト無 |
|---|---|---|
| Ⅰ(全科目受講) | 67,093円 | 61,502円 |
| Ⅱ(法適合確認のみ) | 44,729円 | 39,137円 |
| Ⅲ(設計製図のみ) | 55,911円 | 50,320円 |
| Ⅳ(建築設備士資格者) | 44,729円 | 39,137円 |
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 事前準備・受講手数料)」
直近5年間の設備設計一級建築士講習の結果
受講者数・修了者数・修了率
令和3年度から令和7年度までの5年間で、修了率は50.7%から72.2%の間で推移しています。5年間の合計では受講者1,642人のうち修了者は1,025人で、修了率は約62.4%です。令和7年度は受講者が363人と増えた一方、修了率は50.7%と5年間で最も低くなりました。
| 年度 | 受講者数(実受験者数) | 修了者数 | 修了率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年度) | 363人 | 184人 | 50.7% |
| 令和6年度(2024年度) | 299人 | 176人 | 58.9% |
| 令和5年度(2023年度) | 288人 | 208人 | 72.2% |
| 令和4年度(2022年度) | 288人 | 195人 | 67.7% |
| 令和3年度(2021年度) | 404人 | 262人 | 64.9% |
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 講習データ)」
申込区分別の修了率
申込区分別に見ると、全科目を受ける区分Ⅰの修了率は32.9%〜47.9%で、全体より大きく下がります。建築設備士資格者の区分Ⅳは64.1%〜92.3%と高めです。全体の修了率は「どの区分の人が多く受けたか」に左右されるため、初めて全科目を受ける人は区分Ⅰの数値を目安にするのが実態に近いでしょう。
| 年度 | 区分Ⅰ(全科目) | 区分Ⅱ(法適合確認のみ) | 区分Ⅲ(設計製図のみ) | 区分Ⅳ(建築設備士) |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 170人中56人(32.9%) | 32人中22人(68.8%) | 8人中8人(100.0%) | 153人中98人(64.1%) |
| 令和6年度 | 142人中58人(40.8%) | 14人中8人(57.1%) | 14人中11人(78.6%) | 129人中99人(76.7%) |
| 令和5年度 | 119人中57人(47.9%) | 18人中13人(72.2%) | 21人中18人(87.5%※) | 130人中120人(92.3%) |
| 令和4年度 | 132人中61人(46.2%) | 11人中10人(90.9%) | 24人中18人(75.0%) | 121人中106人(87.6%) |
| 令和3年度 | 194人中92人(47.4%) | 49人中42人(85.7%) | 10人中6人(60.0%) | 151人中122人(80.8%) |
※令和5年度の区分Ⅲは公表値どおり87.5%と記載しています。人数から計算すると85.7%になります(記事末尾の検証を参照)。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 講習データ)」
データから読み取れる傾向
区分Ⅰの修了率は令和5年度の47.9%から、令和6年度40.8%、令和7年度32.9%と2年続けて下がっています。区分Ⅰの受講者は同じ期間に119人から170人へ増えており、令和7年度は全科目を一度に受けた人のおよそ3人に2人が未修了でした。法適合確認と設計製図の科目合格は講習が行われた年度の初めから3年以内まで持ち越せるため、1回で修了できなくても、次の年度は残りの科目に集中する受け方ができます。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 講習データ)」
申込から設備設計一級建築士証交付までの流れ(令和8年度)
初めて全科目を受講する場合
1.受講申込:令和8年度は6月8日(月)10:00から6月30日(火)16:00まで、インターネットで受け付けました。顔写真と受講資格を証明する書類のデータ、業務経歴書の入力が必要です。
2.受講申込審査・受講票:センターが受講資格を審査し、審査が終わるとマイページから受講票をダウンロードできます。
3.講義受講:会場受講(9月の3日間、講習地により日程が異なる)か、配信動画の視聴(9月9日〜9月30日)で受講します。
4.修了考査:11月15日に、講義を受けた講習地の会場で受けます。
5.修了発表:令和9年1月22日(予定)にマイページで通知されます。修了証と未修了通知は電子発行で、郵送は廃止されています。
6.設備設計一級建築士証の交付申請:修了日(修了考査の実施日)から1年以内に、各都道府県の建築士会へ申請します。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 受講の流れ)」/「建築技術教育普及センター(令和8年度 受講要領)」/「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習)」
科目合格者が残りの科目を受講する場合
前年度までに法適合確認か設計製図の一方だけに合格している人は、区分Ⅱ(法適合確認のみ)か区分Ⅲ(設計製図のみ)で申し込みます。申込時には、合格した年度の受講番号が載った受講票か未修了通知書が必要です。申込から修了発表までの日程は全科目受講と同じです。
引用:「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士講習 事前準備・受講手数料)」
交付後は3年ごとに定期講習を受ける
設備設計一級建築士は、建築士事務所に所属しているかどうかに関係なく、定期講習を受ける義務があります。建築技術教育普及センターの定期講習は3年ごとの受講で、約5時間の講義動画と1時間の修了考査(40問の正誤式、Webカメラによるオンライン監視)で構成されます。手数料はオンライン受講で15,400円(税込)、対面方式は16,500円(税込)です。
引用:「e-Gov法令検索(建築士法 第22条の2)」/「建築技術教育普及センター(設備設計一級建築士定期講習 概要)」
まとめ
設備設計一級建築士は、階数3以上かつ床面積5,000平方メートル超の建築物の設備設計に関わる資格で、一級建築士として5年以上の設備設計の実務経験と講習の修了が必要です。講習全体の修了率は直近5年で50.7%〜72.2%ですが、全科目を受ける区分Ⅰに限ると32.9%〜47.9%まで下がり、令和7年度は3人に1人ほどしか修了していません。科目合格の持ち越し制度もあるため、法適合確認と設計製図のどちらを先に固めるかを決めて、計画的に準備を進めることが取得への近道です。

