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【2026年最新】構造設計一級建築士とは?修了率・受講資格・講習から登録までの流れを徹底解説

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構造設計一級建築士は、一定規模以上の建築物の構造設計に関与することが法律で義務付けられた、一級建築士の上位資格です。資格を取得するには、一級建築士として5年以上の構造設計の実務経験を積んだうえで、登録講習機関が行う講習を修了する必要があります。

本記事では、構造設計一級建築士の制度概要から、講習の内容、直近5年間の修了率、修了後の手続きまでを、公的機関が公表している一次情報をもとに解説します。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習制度)

 

構造設計一級建築士とは

 

制度の概要

 

一級建築士の独占業務のうち、高度な専門能力が必要な一定の建築物の構造設計については、構造設計一級建築士が自ら設計するか、他の一級建築士が設計した場合は構造設計一級建築士による法適合確認を受けなければなりません。

建築士法第20条の2では、構造設計一級建築士以外の一級建築士が対象建築物の構造設計を行った場合、構造設計一級建築士に構造関係規定への適合確認を求めることが定められています。確認を行った構造設計一級建築士は、構造設計図書にその旨を記載し、構造設計一級建築士である旨を表示したうえで記名します。

 

引用:e-Gov法令検索(建築士法 第20条の2)

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習制度)

 

関与が義務付けられる建築物

 

構造設計一級建築士の関与が必要になるのは、建築基準法第20条第1号・第2号に該当する建築物で、建築士法第3条第1項の対象となるものです。代表的な例は次のとおりです。

 

・木造で、地階を除く階数が4以上、または高さが16mを超えるもの

・鉄骨造で、地階を除く階数が4以上のもの

・鉄筋コンクリート造で、高さが20mを超えるもの

 

中高層の建築物の多くが対象になるため、構造設計事務所や組織設計事務所、ゼネコンの設計部門では、構造設計一級建築士の在籍が業務の幅に直結します。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習制度)

 

登録者数

 

日本建築士会連合会が公表している「建築士登録状況」によると、令和7年4月1日現在の構造設計一級建築士の登録者数は10,410名です。同じ時点の一級建築士は383,923名のため、一級建築士のうち構造設計一級建築士は約2.7%にとどまります。

なお、令和6年4月1日現在の構造設計一級建築士は10,518名で、1年間で108名減っています。毎年200名前後の講習修了者が出ている一方で、登録者数は横ばいからやや減少の傾向にあります。

 

引用:公益社団法人 日本建築士会連合会(令和7年度 建築士登録状況)

引用:公益社団法人 日本建築士会連合会(令和6年度 建築士登録状況)

 

構造設計一級建築士になるための講習

 

受講資格

 

構造設計一級建築士講習を受講できるのは、一級建築士として構造設計の業務に5年以上従事した人です。実務経験には、構造設計のほか、構造に関する工事監理、建築確認の構造審査およびその補助、構造計算適合性判定およびその補助が含まれます。

ただし、工事監理の補助業務と構造設計の補助業務は、平成25年9月までに携わったものだけが認められ、平成25年10月以降のものは実務経験として認められません。業務経歴証明書は、原則として所属事務所の管理建築士などの第三者による証明が必要です。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習制度)

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(事前準備・受講手数料)

 

講義の内容

 

講義は2日間で、令和8年度は会場講義と配信動画のどちらかで受講します。時間割は次のとおりです。

 

日程 時間 科目 対象区分
第1日 10:00〜12:10 建築物の構造に関する科目(その1) Ⅰ・Ⅲ
第1日 13:10〜17:40 構造関係規定に関する科目 Ⅰ・Ⅱ
第2日 10:00〜12:00 建築物の構造に関する科目(その2) Ⅰ・Ⅲ
第2日 13:00〜17:30 建築物の構造に関する科目(その3) Ⅰ・Ⅲ

 

申込区分は、全科目を受講する「Ⅰ」、法適合確認のみを受講する「Ⅱ」、構造設計のみを受講する「Ⅲ」の3つです。前年度までに片方の区分に合格している人は、ⅡまたはⅢで申し込めます。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(令和8年 構造設計一級建築士講習 受講要領)

 

修了考査の内容と修了基準

 

修了考査は1日で行われ、午前に「法適合確認」、午後に「構造設計」の2区分を受けます。

 

考査区分 時間 出題内容 出題形式
法適合確認 10:00〜13:00(3時間) 構造関係規定に関する科目 理由記述付き4肢択一式10問、記述式3問
構造設計 14:15〜17:15(3時間) 建築物の構造に関する科目 理由記述付き4肢択一式10問、記述式3問

 

講習を修了するには、両方の区分に合格する必要があります。各区分では、4肢択一式10問の評価の合計、記述式3問それぞれの評価、両者を合わせた評価の合計が、いずれも一定以上であることが求められます。具体的な点数基準は公表されていません。

片方の区分だけに合格した場合は、申請により「翌年および翌々年(2年後)まで」その区分の講義と修了考査が免除されます。免除を受けるには過去の受講票か未修了通知書が必要なので、大切に保管しておきましょう。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(令和8年 構造設計一級建築士講習 受講要領)

 

受講手数料

 

令和8年度の受講手数料(税込)は、クレジットカード決済で次のとおりです。金額は受講手数料と決済の事務手数料の合計です。

 

申込区分 テキスト有 テキスト無し
Ⅰ(全科目受講) 55,911円 50,320円
Ⅱ(法適合確認のみ) 44,729円 39,137円
Ⅲ(構造設計のみ) 50,320円 44,729円

 

コンビニエンスストア決済(事務手数料277円)やPay-easy決済(事務手数料473円)も選べ、決済方法によって合計額が少し変わります。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(事前準備・受講手数料)

 

直近5年間の構造設計一級建築士講習の結果

 

受講者数・修了者数・修了率

 

構造設計一級建築士講習は「試験」ではなく「講習」のため、公表データでは「合格率」ではなく「修了率」と表記されています。直近5年間の結果は次のとおりです。

 

年度 実受験者数 修了者数 修了率
令和7年度 762 234 30.7%
令和6年度 730 212 29.0%
令和5年度 687 187 27.2%
令和4年度 651 236 36.3%
令和3年度 676 202 29.9%

 

修了率は27〜36%の範囲で推移しており、5年間の合計では3,506名中1,071名、約30.5%が修了しています。受験者は全員が5年以上の実務経験を持つ一級建築士であることを考えると、難易度の高い講習といえます。受講者数は令和4年度の651名から令和7年度の762名へ増えています。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習データ)

 

申込区分別の傾向

 

申込区分別に見ると、全科目を受講する区分Ⅰの修了率が最も低く、令和7年度は635名中158名で24.9%でした。区分Ⅰは5年間を通じて25〜30%で、1回の受講で両区分に合格するのは4人に1人程度です。

一方、法適合確認のみを受講する区分Ⅱは令和7年度69.0%(58名中40名)、構造設計のみを受講する区分Ⅲは52.2%(69名中36名)と、片方の科目に集中できる区分は修了率が高くなっています。初年度に片方の区分に合格し、翌年度以降に残りの区分に挑むという進め方も現実的です。

 

申込区分 令和7年度 実受験者数 修了者数 修了率
Ⅰ(全科目受講) 635 158 24.9%
Ⅱ(法適合確認のみ) 58 40 69.0%
Ⅲ(構造設計のみ) 69 36 52.2%

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習データ)

 

修了者発表までの流れ(令和8年度)

 

全科目(区分Ⅰ)から受講する場合

 

令和8年度の主な日程は次のとおりです。

 

1.受講申込:6月8日(月)10:00〜6月30日(火)16:00(インターネット申込)

2.受講票の発行:9月1日予定(メール通知後、マイページからダウンロード)

3.講義:配信動画の視聴期間は9月18日〜10月16日。会場講義は講習地により9月28日〜10月16日の間の2日間

4.修了考査:11月29日

5.修了者の発表:令和9年1月29日予定(マイページで通知)

 

会場講義の日程は講習地ごとに異なり、福岡市は9月28日〜29日、東京都・名古屋市は10月1日〜2日、札幌市・仙台市・大阪府・広島市は10月15日〜16日です。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(令和8年 構造設計一級建築士講習 受講要領)

 

一部科目が免除される場合(区分Ⅱ・Ⅲ)

 

前年度までに一方の区分に合格している人は、区分Ⅱ(法適合確認のみ)または区分Ⅲ(構造設計のみ)で申し込みます。区分Ⅱでは「建築物の構造に関する科目」、区分Ⅲでは「構造関係規定に関する科目」の講義と考査が免除され、日程は区分Ⅰと同じです。申込時には、合格した科目の受講番号が記載された受講票または未修了通知書の電子ファイルを提出します。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(令和8年 構造設計一級建築士講習 受講要領)

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(事前準備・受講手数料)

 

修了後に必要な手続き

 

構造設計一級建築士証の交付申請

 

講習を修了しただけでは、構造設計一級建築士として業務を行えません。修了後に「構造設計一級建築士証」の交付を申請する必要があります。申請の窓口は住所地の都道府県建築士会で、登録事務は中央指定登録機関である日本建築士会連合会が行います。

交付申請の手数料は14,300円(非課税)です。主な必要書類は、交付申請書、講習修了証のコピー、一級建築士免許証(免許証明書)のコピー、証明写真2枚、手数料の払込受付証明書(原本)、本人確認書類のコピーです。

建築士法第10条の3では、講習を申請前1年以内に修了していることが交付の要件とされています。期限を過ぎると交付の権利が消え、講習を受け直す必要があるため、修了後は早めに申請しましょう。

 

引用:公益社団法人 日本建築士会連合会(構造設計・設備設計一級建築士証 新規交付申請)

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(修了者のみなさまへ)

引用:e-Gov法令検索(建築士法 第10条の3)

 

3年ごとの定期講習

 

構造設計一級建築士証の交付を受けると、3年に一度「構造設計一級建築士定期講習」を受講する義務があります。一級建築士の定期講習は建築士事務所に所属する人だけが対象ですが、構造設計一級建築士の定期講習は、事務所に所属しているかどうかに関係なく受講が必要です。

受講時期の目安は、講習を修了した年の翌年4月1日から、または前回の定期講習の受講から3年ごとです。構造設計一級建築士証を返納すれば受講義務はなくなりますが、再び資格を得るには講習の再受講と修了が必要です。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(修了者のみなさまへ)

引用:e-Gov法令検索(建築士法 第22条の2)

 

まとめ

 

構造設計一級建築士は、一級建築士として5年以上の構造設計の実務経験を積んだ人が、講習と修了考査を経て取得する資格です。直近5年間の修了率は27〜36%で、全科目を受講する区分Ⅰに限ると25%前後です。令和7年4月1日現在の登録者は10,410名で、一級建築士の約2.7%にあたります。

修了考査は法適合確認と構造設計の2区分で、片方に合格すれば一定期間その区分が免除されます。過去の考査問題は建築技術教育普及センターのサイトで公開されているため、出題形式に慣れておくことが合格への近道です。修了後は1年以内の交付申請と3年ごとの定期講習を忘れないようにしましょう。

 

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(過去の考査問題等)

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター(構造設計一級建築士講習データ)

引用:公益社団法人 日本建築士会連合会(令和7年度 建築士登録状況)

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