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2026.01.22
建築英語を効率的に学ぶための5つのポイントとコミュニケーション術
グローバル化が進む建築業界では、英語力が専門スキルと同じくらい重要になっています。
海外プロジェクトへの参加や国際的なキャリア構築において、建築英語は欠かせません。
本記事では、効率的な学習法と実践的なコミュニケーション術を5つのポイントで解説します。

建築英語を学ぶ理由
グローバル化が進む現代の建築業界において、英語力は専門的なスキルと同じくらい重要な要素となっています。
海外の先進的な設計事例や最新の建築技術に関する情報の多くは英語で発信されており、これらを効率よく収集できるかどうかで得られる知識の幅が大きく変わってくるのです。
また、国際的なコンペへの参加や海外クライアントとの協働が増える中で、建築英語のスキルは単なる語学力を超えた「ビジネスツール」としての価値を持ちます。
BIMをはじめとする国際標準のソフトウェアやシステムも英語ベースで開発されているため、最新技術を使いこなすうえでも英語は欠かせません。
さらに、建築英語を習得することで、世界中の建築家や技術者と交流することができます。
キャリアの選択肢を広げ、建築家としての可能性を最大限に引き出すために、建築英語の習得は今や必須と言えるでしょう。
建築英語の活用方法
建築英語を活用する場面は多岐にわたります。
海外大学への留学で最先端の理論を学び、海外事務所での実務経験を積み、国際プロジェクトで実践力を磨くことが可能です。
また、英語での論文発表やコンペ参加を通じて、グローバルな専門家としての地位を確立し、世界的な活躍の扉を開くことができます。
大学留学する
建築英語を活用する最も直接的な方法の一つが、海外の大学や大学院への留学です。
欧米の名門建築学部では、世界的に著名な建築家が教鞭をとり、最先端の設計理論や技術を学ぶことができます。
また、多国籍な学生たちとの共同作業やディスカッションは、異なる建築文化や価値観に触れる貴重な機会となります。
こうした経験は帰国後のキャリアにおいても、国際的な視野を持った建築家としての強みになるでしょう。
海外の建築事務所に勤める
海外の設計事務所で働くことは、建築英語を実務レベルで使いこなす最良の方法です。
日々の業務において、図面のチェック、クライアントとの打ち合わせ、コンサルタントとの調整など、あらゆる場面で英語を使用することになります。
特に大規模なプロジェクトでは、構造エンジニア、設備設計者、ランドスケープデザイナーなど多様な専門家とのコミュニケーションが必要となり、建築に特化した専門用語を自然と習得できます。
また、現地での生活を通じて、建築だけでなく文化や社会背景への理解も深まります。
建築は文化と密接に結びついているため、こうした経験は設計者としての引き出しを増やし、より豊かな建築表現に繋がるでしょう。
国際プロジェクトに参加する
日本国内にいながらも、国際プロジェクトへの参加を通じて建築英語を活用する機会は増えています。
海外企業との協働案件や、日本企業の海外進出に伴うプロジェクトでは、英語でのコミュニケーションが基本です。
設計図書の作成、技術的な仕様書の読解、オンライン会議でのプレゼンテーションなど、実践的な場面で英語力が試されます。
専門家としての地位を確立する
建築英語を習得することで、国際的な専門家としての地位を確立しやすくなります。
英語で論文を執筆し国際学会で発表することができれば、自身の研究や設計思想を世界に向けて発信できます。
建築分野の主要なジャーナルや学術誌の多くは英語で出版されているため、英語力があることで研究成果を広く共有し、国際的な評価を得るチャンスが広がるのです。
実際、日本を代表する多くの建築家が、海外での学びを通じて国際的なキャリアの基盤を築いています。
プリツカー賞を受賞した槇文彦氏は、クランブルック美術学院とハーバード大学デザイン大学院修士課程で学び、グローバルな視点と高度な専門性を身につけました。
同じくハーバード大学で学んだ谷口吉生氏も、海外での教育経験が後の国際的な活躍の礎となっています。
また、ロンドンのAAスクール(建築連盟付属建築専門学校)で学んだ平沼孝啓氏は、実験的で革新的なアプローチを日本の建築界にもたらしました。
これらの建築家に共通するのは、海外の教育機関で建築英語を駆使しながら最先端の理論と実践を学び、それを自身のキャリア形成に活かしたという点です。
英語力は単なるコミュニケーションツールではなく、グローバルな建築文化への架け橋であり、専門家としての可能性を大きく広げる鍵となるのです。
また、英語での情報発信力を持つことで、講演やワークショップの講師として招待される機会も増えます。
SNSやウェブサイトを通じて英語で作品を紹介することで、世界中のクライアントや協働者との出会いが生まれる可能性もあるのです。
建築英語は、グローバルな舞台で活躍する建築家にとって、自己実現のための強力な武器となります。
建築英語を効率的に学ぶための5つのポイント
効率的な建築英語習得には戦略的なアプローチが必要です。
5つのポイントを実践することで、実務で使える建築英語を着実に身につけることができます。
①中学レベルの英語を完璧にマスターする
建築英語を学ぶ第一歩は、意外にも基礎英語の徹底です。
中学で学ぶ基本的な文法や語彙は、あらゆる英語コミュニケーションの土台となります。
複雑な専門用語を使いこなす前に、シンプルな文章を正確に組み立てられることが重要です。
また、基礎がしっかりしていれば、専門用語を追加で学ぶ際にもスムーズです。
建築英語は特殊に見えますが、その多くは一般英語の文法ルールに専門用語を当てはめたものに過ぎません。
焦らず基礎を固めることが、結果的に最も効率的な学習法なのです。
基礎が固まったら、建築分野に特化した専門用語の習得に進みましょう。
この段階では、体系的にまとめられた専門書籍を活用することで、学習効率を大きく高めることができます。
堀池秀人氏による「建築バイリンガルノート」は、5800語以上の建築専門用語を分野別に整理した実用的な一冊です。
海外でのビジネスシーンを想定した内容となっており、特に意匠設計に関する語彙が充実しているため、コンセプト説明やプレゼンテーション資料の作成時に重宝します。
後半に掲載されている検索用インデックスを使えば、必要な表現を素早く見つけられる点も実務者にとって大きなメリットです。
出典:Amazon「建築バイリンガルノート」
現場での実践的なコミュニケーションには、高橋奈々氏、二宮友佳子氏による「ひと目でわかる 建築現場の英単語」が有効です。
豊富なビジュアル資料とともに現場用語を学べる構成で、視覚的記憶を活用した効率的な学習が可能です。
図やイラストを指し示しながらの意思疎通にも使えるため、海外の施工現場で働く方にとって実用性の高い内容となっています。
出典:Amazon「ひと目でわかる建築現場の英単語」
設備設計や設備エンジニアリングに携わる方には「初心者マークとおさらば 建築設備と英語表現」が特におすすめです。
建築設備という高度に専門化された領域の英語表現は、通常の検索エンジンでは見つけにくく、参考書籍も極めて限られています。
本書は、設備関連の海外プロジェクトに関わる実務者、英語でのミーティングが求められる技術者、あるいは設備分野の英語に関心を持つ学習者を対象に執筆されており、国内にいながら専門的な英語表現を網羅的に身につけられる貴重な一冊となっています。
出典:Amazon「初心者マークとおさらば 建築設備と英語表現」
このような専門書籍を戦略的に取り入れることで、基礎英語力の上に専門性を積み重ね、実務で即座に活用できる建築英語を効率的に習得できます。
②建築英語を聞く習慣をつける
リスニング力を鍛えることは、建築英語習得において極めて重要です。
YouTubeには世界中の著名建築家による講演やプレゼンテーション動画が豊富にあり、これらを活用することで本物の建築英語に触れることができます。
最初は字幕をつけて視聴し、徐々に字幕なしで理解できるように練習していきましょう。
建築系ポッドキャストなどの音声コンテンツも有効です。
通勤時間や作業中のBGMとして流すことで、自然と建築特有の表現やリズムに慣れることができます。
毎日15分でも継続することで、数ヶ月後には大きな変化を実感できるでしょう。
③建築英語を話す習慣をつける
インプットだけでなく、実際に声に出して話す練習が不可欠です。
オンライン英会話サービスを利用すれば、自宅にいながら定期的に英語を話す機会を作れます。
建築に興味のある講師や、ビジネス英語を専門とする講師を選び、自分の設計プロジェクトについて説明する練習をすると実践的です。
また、建築プロジェクトを英語でプレゼンテーションする練習も効果的です。
自分の過去の作品や興味のある建築について、英語で3分程度の説明を準備し、鏡の前で繰り返し練習してみましょう。
最初はつまずいても構いません。
録音して聞き直すことで、発音や文法の改善点が見えてきます。
さらに、建築英語の勉強仲間を見つけて、定期的に英語で議論する機会を持つのも有効です。
同じ目標を持つ仲間との練習は、モチベーション維持にも繋がります。
オンラインコミュニティやSNSを活用して、世界中の建築学生や若手建築家と交流することも、実践的な会話力向上に役立つでしょう。
④大きな声で英語を話す
自信を持って大きな声で話すことも重要です。
日本人は一般的に控えめな話し方をする傾向がありますが、国際的なビジネスシーンでは、はっきりと聞き取れる声量で話すことが求められます。
特にプレゼンテーションや会議では、小さな声では説得力が伝わらず、内容以前の問題となってしまうのです。
大きな声で話す練習をすることで、自然と発音も明瞭になり、相手に理解してもらいやすくなります。
腹式呼吸を意識し、語尾まではっきりと発音することを心がけましょう。
最初は恥ずかしさを感じるかもしれませんが、練習を重ねることで自信がつき、自然と堂々としたコミュニケーションができるようになります。
また、声に感情や熱意を込めることも大切です。
建築への情熱や設計思想を伝えるには、単調な話し方ではなく、抑揚をつけた表現力豊かなスピーチが効果的です。
身振り手振りも交えながら、エネルギッシュに話す練習をしてみましょう。
相手の目を見て、大きな声で自信を持って話すことが、国際的なコミュニケーションの第一歩です。
⑤日常業務で積極的に英語を使う
学習の成果を定着させるには、日常的に英語を使う環境を自ら作り出すことが最も効果的です。
基本的な建築用語を使って図面にメモを残すだけでも、語彙力の強化に繋がります。
プロジェクトの資料やプレゼンテーションボードを英語版でも作成する習慣をつけると、実務的なライティング力が向上します。
最初は時間がかかりますが、テンプレートを作っておけば徐々に効率化できます。
また、海外の建築雑誌や専門書を読む時間を毎日設けることで、リーディング力と専門知識を同時に深められます。
こうした日常的な実践を通じて、建築英語は確実にあなたのスキルとして定着していきます。
まとめ
建築英語の習得は、グローバルな建築業界で活躍するための必須スキルです。
基礎英語の徹底から始め、聞く・話す習慣を身につけ、大きな声で自信を持ってコミュニケーションすることが重要です。
日常業務で積極的に英語を使い、留学や国際プロジェクトへの参加を通じて実践力を磨きましょう。
継続的な努力によって、建築英語はあなたのキャリアを大きく広げる強力なツールとなります。

