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2025.10.18
【新卒から即戦力に!】設計事務所の選び方を徹底解説

建築を学ぶ学生にとって、卒業後にどの設計事務所を選ぶかは将来を左右する重要な要素です。
自分に合った環境で成長できるかどうかは、事務所選びで決まると言っても過言ではありません。
本記事では、新卒が設計事務所を選ぶ際のポイントや、「採用したい」と思われる新卒の共通点、効果的な求人の探し方まで徹底解説します。
理想のキャリアをスタートさせるための参考にしてください。
設計事務所とは
設計事務所とは、建築物の企画・設計を専門に手がける事務所です。
住宅から商業施設、公共建築まで幅広いプロジェクトでクライアントの要望を形にします。
アトリエ系設計事務所、組織設計事務所、建築事務所など様々なタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
設計事務所のタイプ | 特徴 |
アトリエ系設計事務所 | デザイン性を追求する少数精鋭の事務所。
自由度は高いが、多忙を極めることもある。 |
組織設計事務所 | 大規模プロジェクトを手掛ける事務所。
各分野の専門家がチームを組んで仕事を進めるスタイルが一般的。 |
建築事務所 | 主に個人の住まいづくりをサポートする、地域に根ざした事務所。 |
新卒では図面作成や模型制作などの補助業務からスタートし、経験を積みながら設計の中心的役割を担えるよう成長していきます。
設計事務所の選び方のポイント
設計事務所選びは、将来のキャリアを左右します。
自分に合った環境を見つけるため、成長機会、デザイン方針、職場環境、待遇面など多角的に評価しましょう。
ここでは新卒が設計事務所を選ぶ際にチェックすべき6つの重要ポイントを詳しく解説します。
スキルアップができる環境か
スキルアップできる環境が整っているかは最重要ポイントです。
多様なプロジェクトに携わる機会や先輩からの指導体制を確認しましょう。
また、社外研修や資格取得支援制度があれば長期的なキャリア形成に有利です。
自分のセンスを活かせるか
自分のセンスを活かせるかも、設計事務所を選ぶ際に重要です。
設計事務所には独自の方針があります。
自分が目指す建築の方向性と事務所の方針が合っているかどうかは、モチベーション維持に関わってきます。
設計事務所の過去作品を確認し、デザインの傾向を把握するのがおすすめです。
自分のセンスを活かせる設計事務所を選びましょう。
人間関係でストレスがないか
人間関係でストレスがないことも、設計事務所選びで欠かせない要素です。
設計事務所は少人数運営が多く、人間関係が業務の質に直結します。
可能であればオフィス見学で職場の雰囲気を確認しましょう。
社員同士の会話の様子から事務所の人間関係が見えてきます。
面接での対応の仕方や話しやすさも観察し、風通しの良い職場環境かを見極めることが大切です。
給与・休日などの条件面が合っているか
納期前は残業が多くなる傾向があるため、給与体系や残業代の支給状況、休日取得の実態を確認することが重要です。
初任給だけでなく昇給制度や賞与、残業代の支払い状況もチェックしましょう。
年間休日数や有給取得率、週休二日制の実施状況も確認が必要です。
長期的に働き続けるにはワークライフバランスを保てる環境が望ましいでしょう。
事務所の価値観と合うか
設計事務所にはそれぞれ独自の価値観や理念があります。
事務所の理念と自分の価値観が一致していることは、やりがいを感じながら働くための重要な条件です。
地域貢献重視か国際コンペ挑戦重視か、環境配慮優先か最新技術活用重視かなど、価値観は様々です。
ウェブサイトや代表者のインタビューから事務所が大切にしていることを把握しておきましょう。
女性が活躍できる環境があるか
事務所によって女性への配慮や制度整備状況は大きく異なります。
女性社員の在籍状況や役職登用実績、産休・育休制度、時短勤務の可否などを確認しましょう。
女性が長く働き続けている事務所は職場の理解も進んでいます。
力仕事や現場監理のサポート体制、設備面での配慮も確認し、女性の先輩社員がいれば直接話を聞く機会を設けてもらいましょう。
「採用したい」と思われる新卒の共通点
設計事務所が新卒に求めるのは専門知識だけではありません。
コミュニケーション能力や想像力、実務への意欲など、総合的な人間力が評価されるのです。
ここでは採用担当者が「採用したい」と思う新卒の共通点を紹介します。
この共通点を意識して就活をすることで、採用の可能性が高まります。
コミュニケーション能力が高い
設計業務はクライアントや施工業者など多くの関係者と協働するため、高いコミュニケーション能力が求められます。
自分の考えをしっかり伝える力と相手の要望を正確に理解する力の両方が必要です。
面接では質問に的確に答えられるか、論理的に説明できるかが評価されます。
学生時代のグループワークやプレゼン経験、アルバイト経験も大事なアピール材料となります。
想像力が豊か
建築設計において想像力は不可欠です。
クライアントの抽象的な要望を具体的な空間に落とし込むには豊かな想像力が必要となります。
また、完成後に人々がどう過ごすか、季節や時間帯で空間がどう変化するかをイメージできる力も重要です。
面接では、設計課題での発想プロセスを説明できるようにし、日常で建築にどんな関心を持っているかのエピソードもいくつか用意しておきましょう。
ポートフォリオが充実している
ポートフォリオは学生時代の設計作品や思考プロセスを示す重要なツールで、新卒採用では能力判断の最重要材料となります。
完成作品だけでなく、設計コンセプトや思考プロセス、課題解決アプローチを明確に示しましょう。
ポートフォリオは、見やすいレイアウトで各設計事務所に合わせた作品を厳選し、自分の強みが伝わる構成にしてください。
インターンやアルバイト経験がある
設計事務所でのインターンやアルバイト経験は、実務への理解と意欲を示す強力なアピールポイントです。
具体的な業務内容と学んだことを明確に説明できるようにしましょう。
CADオペレーションやプレゼン資料作成、模型制作などの実務経験は即戦力として期待されます。
設計事務所以外でも建築関連の現場アルバイトや接客業での経験も評価されます。
資格を持っている
新卒時点で取得可能な関連資格を持っていることは非常に有利です。
CAD利用技術者試験やインテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーターなどは設計業務に役立つ知識の証明になります。
また、英語力を示すTOEICスコアも海外プロジェクトを扱う設計事務所では高く評価されます。
体力がある
建築設計は納期前の長時間労働や重い図面・模型の運搬、現場移動など想像以上に体力を使います。
体力があることは困難な状況でも粘り強く取り組める精神力の表れでもあります。
締め切りに追われる中でも集中力を維持し、質の高い成果を生み出すには体力が不可欠です。
スポーツ経験や体力を要するアルバイト経験もアピール材料となります。
設計事務所の求人の探し方
理想の設計事務所を見つけるには効果的な求人探しが重要です。
大学のネットワークから専門サイトまで、様々な方法があります。
ここでは新卒が活用すべき5つの求人の探し方を紹介します。
複数の方法を組み合わせることで、自分に最適な事務所と出会える可能性が高まるでしょう。
研究室やゼミの繋がりを活かす
大学の研究室やゼミの繋がりを活かしましょう。
教授は業界との繋がりが深く、卒業生が活躍する設計事務所への推薦や紹介を受けられる可能性があります。
先輩から職場環境や業務内容のリアルな情報を聞けるのも、大きなメリットです。
大学で開催される設計事務所の説明会があれば積極的に参加し、直接質問や名刺交換をするようにしましょう。
企業の採用ページを確認する
気になる設計事務所の公式サイトの採用ページを直接確認するのもおすすめです。
募集要項や求める人材像、選考プロセスの詳しい情報を得られます。
多くの設計事務所は不定期に採用しているため、定期的な採用ページのチェックが重要です。
採用情報がなくても問い合わせフォームから直接連絡することで、採用情報を得られるかもしれません。
設計事務所のセミナーや説明会に参加する
建築系学生向けの就職セミナーや事務所説明会は、複数の設計事務所を比較検討できる貴重な機会です。
一度に多くの情報を得られるだけでなく、担当者と直接話せるチャンスでもあります。
設計事務所のセミナーや説明会では、事務所の特徴や求める人材像、実際の業務内容を詳しく聞けます。
事前に参加事務所を調べて具体的な質問を準備し、名刺を持参して気になる事務所と繋がりを持ちましょう。
転職エージェントを活用する
建築業界特化の転職エージェントを活用するのも、1つの方法です。
業界に精通したアドバイザーが希望条件に合った事務所を紹介し、応募書類の添削や面接対策までサポートします。
一般には公開されていない求人を保有していることも多く、就職先の選択肢が広がります。
複数のエージェントに登録して比較検討し、自分の希望を明確に伝えて積極的にコミュニケーションを取りましょう。
建築業界特化の求人サイトを利用する
建築・設計業界特化の求人サイトには、設計事務所の求人も掲載されています。
専門サイトの詳細な検索機能で、希望条件に合った事務所を効率的に探せます。
事務所の規模や専門分野、勤務地、給与条件で絞り込み可能です。
また、作品例やプロジェクト実績も掲載されており、デザインの方向性を確認できます。
新着求人アラート機能を設定し、複数の求人サイトを併用するのがおすすめです。
まとめ
設計事務所選びは、建築学生のキャリアを決める重要な第一歩です。
本記事では、新卒が設計事務所を選ぶ際のポイントや、「採用したい」と思われる新卒の共通点、効果的な求人の探し方まで徹底解説しました。
成長できる環境か、価値観は合うかなど多角的に事務所を見極め、自身の強みをポートフォリオで示しましょう。
本記事で紹介した方法を実践し、後悔のない設計事務所選びをしてください。