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2025.02.01
建築設計のインターンシップとは?4つのタイプを解説

建築業界にも、インターンシップを行っている企業があるのをご存じですか?
本記事では、建築設計のインターンシップについて解説します。
「建築設計のインターンシップでできること」や「インターンシップへ参加するメリット」などを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インターンシップとは
インターンシップとは、就職活動の一種です。
自分が気になっている職場で実際の仕事を体験したり、その企業で働いている人の話を聞いたりできます。
インターンシップをしたからといって、内定が保証されるわけではありません。
しかし、インターンシップ中に企業の職員へ好印象を与えることで、就活を有利に進めやすくなります。
また、実際の仕事を体験することで職場の雰囲気を掴めるため、就職におけるミスマッチを防げるメリットもあります。
インターンシップの4つのタイプ
2025年卒業予定の学生を対象としたインターンシップ制度から、ルールが大きく変わりました。
今まで「インターンシップ」と呼んでいたものが、新制度では「オープン・カンパニー」「キャリア教育」「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「高度専門型インターンシップ」の4つに分類されたのです。
インターンシップの4つの分類について、1つずつ見ていきましょう。
①オープン・カンパニー
オープン・カンパニーは、1日から3日程度の短期プログラムで、企業や業界の理解促進を主な目的としています。
企業説明会よりも深い企業理解が可能で、職場見学やグループワーク、社員との対話セッションなどを通じて、実際の職場の雰囲気や企業文化を知ることができます。
学生が業界研究や企業研究を行う際の入り口として位置づけられ、就職活動の早期段階で参加する学生が多いのが特徴です。
実務体験はできませんが、企業の事業内容や将来のビジョン、求める人材像などについて、より具体的に理解する機会となります。
②キャリア教育
キャリア教育は、数日から2週間程度のプログラムで、職業理解とキャリア形成が目的です。
実務に近い課題に取り組むグループワークや、実際の業務の一部を体験する機会が提供されます。
また、社会人基礎力の向上を重視し、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、チームワーク力などの育成も図ります。
就業体験を通じて、自己の適性や志向性を見つめ直し、将来のキャリアプランを具体化するきっかけとなることが期待されています。
③汎用的能力・専門活用型インターンシップ
汎用的能力・専門活用型インターンシップは、2週間から1ヶ月程度の中期プログラムです。
大学で学んだ専門知識やスキルを実践的に活用しながら、実務経験を積めます。
実際のプロジェクトに参加したり、業務改善の提案を行ったりと、より実践的な課題に取り組むことが可能です。
また、問題解決能力やリーダーシップ、創造性など、より高度な汎用的能力の開発も重視されています。
就業体験を通じて、自身の専門性を活かせる職種や業界について、具体的なイメージを掴むことができるでしょう。
④高度専門型インターンシップ
高度専門型インターンシップは、2ヶ月以上の長期プログラムで、専門性の高い実務経験の獲得を目的としています。
研究開発や商品企画、システム開発など、実際のプロジェクトに正社員に近い形で参画し、専門的なスキルや知識を実践的に活用します。
企業の実務プロセスや意思決定の仕組みを深く理解できる機会となり、就職後のキャリアパスを具体的にイメージできるでしょう。
また、企業側にとっても、インターン生の専門性や適性を見極める採用直結型のプログラムとして位置づけられることもあります。
建築設計のインターンシップでできること
続いて、建築設計のインターンシップでできることを解説します。
・建築現場の見学
・完成した物件の見学
・建築現場での仕事体験
・設計・デザインの制作体験
・モデルハウスや展示場での接客体験
・セミナー参加
それでは見ていきましょう。
建築現場の見学
実際の建設工事の進捗状況や施工プロセスを間近で観察できます。
安全管理者や現場監督の指導のもと、基礎工事から内装工事まで、建築物が完成するまでの各工程を学びます。
また、建設機械の操作や職人の技術、現場での品質管理や安全管理の方法など、座学だけでは理解が難しい実務的な知識を得ることができるのも、大きなメリットです。
現場でのコミュニケーションや工程管理の実態も体験でき、建築物が作られていく過程を総合的に理解する機会となります。
完成した物件の見学
実際に竣工した建築物を設計者や施工管理者の解説付きで見学します。
設計意図や施工上の工夫、使用された材料や工法について詳しく学ぶことが可能です。
また、建物の使われ方や入居者の評価、維持管理の状況なども知ることができ、設計から完成後の運用までを一貫して理解する機会となります。
特に、設計図面と実際の空間との対応関係を体感できる点は、建築を学ぶ上で貴重な経験となるでしょう。
建築現場での仕事体験
現場監督の指導のもと、施工管理の実務を体験します。
工程表の確認や施工図のチェック、資材の検品、安全パトロール、工事写真の撮影など、実際の業務に携わることができます。
また、施工業者との打ち合わせや作業員への指示出しなど、現場でのコミュニケーションも体験可能です。
これらの経験を通じて、建築現場のマネジメントや品質管理の重要性を実践的に学ぶことができます。
設計・デザインの制作体験
設計・デザインの制作体験では、実際の設計事務所で行われている業務を体験します。
基本設計や実施設計の作成、CADソフトの使用、模型製作など、設計プロセスの各段階に関わることが可能です。
また、クライアントの要望を反映させた提案作成や、コストや法規制を考慮した設計変更など、実務ならではの課題にも取り組みます。
設計者からの直接指導を受けながら、創造的な設計プロセスを体験できる貴重な機会となるでしょう。
モデルハウスや展示場での接客体験
モデルハウスや展示場での接客体験では、実際の顧客対応や営業活動を体験します。
住宅プランの説明や建材・設備の紹介、見学者の案内など、顧客とのコミュニケーションを通じて、建築に関する知識を分かりやすく伝える技術を学びます。
また、顧客のニーズや要望を把握し、それを設計提案に反映させるプロセスも体験可能です。
建築の専門知識を活かしながら、営業力やコミュニケーション能力を向上させる機会となります。
セミナー参加
セミナー参加では、建築業界の最新トレンドや技術動向、法規制の改正など、実務に直結する知識を学ぶことができます。
また、設計事務所や建設会社の経営者、ベテラン建築家による講演を通じて、業界の課題や将来展望について理解を深めることも可能です。
グループディスカッションやワークショップなども行われ、他の参加者との交流を通じて、多様な視点や考え方に触れることができます。
建築業界のキャリアプランを考える上で、有益な情報を得られる機会となるでしょう。
建築設計のインターンシップへ行く前に準備すべきこと
建築設計のインターンシップへ行く前には、「志望動機を考える」「企業について調べる」ことが重要です。
インターンシップを失敗させないためにも、必ずこの2点を準備しておきましょう。
志望動機を考えておく
先述した通り、インターンシップは就職活動の一種です。
もし、企業側から志望動機を聞かれた時に何も答えられないと、企業側へマイナスな印象を与えてしまいます。
また、企業側がインターンシップの機会を与えてくれているにもかかわらず、「志望動機がなく、とりあえず参加しました」という姿勢では、企業側に失礼です。
インターンシップに参加する際は、事前に志望動機を考えておくようにしましょう。
企業について調べておく
インターンシップに参加する際は、企業の事業内容や経営理念を調べておきましょう。
企業の公式ホームページで、社長の挨拶や経営理念、事業内容、建築物の施工事例、採用情報ページなどは必須で確認してください。
インターンシップへ参加するメリット
最後に、インターンシップへ参加するメリットを紹介します。
・企業の雰囲気が分かる
・自分の希望とズレがなくなる
・就活が有利に進む
それでは見ていきましょう。
企業の雰囲気が分かる
インターンシップへ参加すると、実際の職場環境や社員の働き方、コミュニケーションスタイルを直接体験できます。
また、社員の方々との対話を通じて、その企業特有の価値観や文化、働き方改革への取り組みなども知ることができ、自分との相性を具体的に判断する材料となるのです。
自分の希望とズレがなくなる
インターンシップで実際の業務を体験することで、自分が想像していた仕事内容と現実のギャップを把握でき、より現実的なキャリアプランを立てられます。
また、その職種に必要なスキルや知識を具体的に理解することで、就職までに準備すべきことが明確になり、効率よく就職活動を進められるでしょう。
就活が有利に進む
インターンシップでの成果や態度が評価され、就活の選考過程で良い印象を与えられます。
また、業界知識や実務経験を得ることで、エントリーシートの作成や面接での受け答えがより具体的で説得力のあるものとなるのです。
さらに、インターンシップ先の社員とのネットワークを構築できることも、就職活動を進める上で大きな強みとなります。
まとめ
本記事では、建築設計のインターンシップについて解説しました。
建築設計のインターンシップでできることは、以下の通りです。
・建築現場の見学
・完成した物件の見学
・建築現場での仕事体験
・設計・デザインの制作体験
・モデルハウスや展示場での接客体験
・セミナー参加
建築設計のインターンシップに参加すると、多くのメリットがあるため積極的に参加するのがおすすめです。