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2025.12.27
【建設テック】スタートアップ厳選20社を徹底比較
建設業界では深刻な人手不足や生産性の低下が課題となっており、デジタル技術を活用した業務効率化が急務となっています。
そこで注目を集めているのが「建設テック」と呼ばれる分野です。
本記事では、建設業界のDXを推進する革新的なスタートアップ企業20社を厳選し、それぞれの特徴やサービス内容を詳しく紹介します。

1.株式会社アンドパッド
株式会社アンドパッドは、建設・建築業界向けのクラウド型施工管理サービス「ANDPAD」を提供する代表的な建設テック企業です。
創業以来、建設現場のコミュニケーションや情報共有を円滑にするプラットフォームとして急成長を遂げています。
ANDPADは、図面や写真の共有、工程管理、報告書作成など、施工管理に必要な機能を一元化したシステムです。
スマートフォンやタブレットから現場の情報をリアルタイムで更新できるため、事務所と現場間の情報伝達がスムーズになり、業務効率が大幅に向上します。
導入企業は大手ゼネコンから地域の工務店まで幅広く、建設業界におけるデファクトスタンダードとしての地位を確立しつつあります。
現場の職人やスタッフにも使いやすいインターフェースが評価され、ITに不慣れな方でも直感的に操作できる点が強みです。
出典:ANDPAD「【シェアNo.1】施工管理アプリ| ANDPAD(アンドパッド)」
2.エムシーディースリー株式会社
エムシーディースリー株式会社は三菱商事をルーツに持つ建設業界特化型のクラウドサービス企業です。
1999年に三菱商事内のプロジェクトとして始まり、2015年に独立企業として設立された経緯を持ち、現在は飯田正生氏が代表を務めています。
同社の主力製品である建設業向けSaaS「グリーンサイト」は、大手ゼネコンのほぼ全社に導入されている業界標準のシステムです。
他社が施工現場向けサービスに注力する中、グリーンサイトは工事前の各種申請業務や役所への届出など本社部門の業務効率化に特化している点が独自性となっています。
圧倒的な利用規模を誇り、建設業界におけるインフラとしての役割を果たしています。
三菱商事グループにおける数少ないデジタルプロダクト企業として、経営層からも高い注目を集めているのです。
出典:MCD3「公式サイト」
3.SORABITO株式会社
SORABITO株式会社は「世界の明日を作る」というミッションのもと、建機レンタル業を中心にテクノロジーによる最適化を推進する企業です。
創業者の青木隆幸氏は2011年の東日本大震災をきっかけに起業を決意し、建機流通事業を経て2014年に同社を設立しました。
同社が提供する「i-Rental」シリーズは、建機レンタルに関わる業務をデジタル化し、発注から返却までのプロセスを効率化するサービスです。
建設現場における機械設備の調達・管理の負担を軽減し、コスト最適化にも貢献します。
2021年5月には、日本政策金融公庫の新型コロナ対策資本性劣後ローンなどを含め総額7億円の資金調達を実施しました。
この資金をもとに、アプリケーション開発の加速化や組織体制の強化を進めており、建機レンタル業界全体のDX推進に取り組んでいます。
出典:SORABITO「公式サイト」
出典:i-Rental「公式サイト」
4.建ロボテック株式会社
建ロボテック株式会社は「世界一ひとにやさしい現場を創る」をミッションに掲げ、建設現場における省人化・省力化ソリューションを提供する企業です。
2013年に眞部達也氏により設立され、ロボット技術を活用した革新的なアプローチで建設業界の課題解決に取り組んでいます。
同社が開発する「トモロボ」シリーズは、建設現場における単純作業や重労働を人の代わりに行う協働型ロボットです。
鉄筋を自動で結束する「鉄筋結束トモロボ」や、重い資材を運搬する「運搬トモロボ」など、用途に応じた複数のラインナップを展開しています。
これらのロボット導入により、作業者の身体的負担を大幅に軽減するとともに、危険作業における安全性も向上するのです。
2022年2月にはリアルテックファンドからの資金調達を実施し、新規ロボットの開発・製造を加速させる方針を示しています。
出典:建ロボテック「公式サイト」
5.スパイダープラス株式会社
スパイダープラス株式会社は、建設業向けの図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」を開発・提供する企業です。
創業者の伊藤謙自氏は高校卒業後に建設資材商社や熱絶縁工事の施工管理を経験したバックグラウンドを持ち、2000年に同社を設立しました。
SPIDERPLUSは、タブレット上で図面管理や写真管理、電子黒板機能などを統合的に利用できるクラウド型アプリです。
現場での図面確認や記録作業をデジタル化し、ペーパーレス化を実現します。ニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能な点も特徴です。
創業者がサブコン出身であることから、専門工事業者特有の課題を深く理解したプロダクト設計がなされており、業界との強固なネットワークを活かして参入障壁の高い建設業界で高いシェアを獲得しています。
2021年3月には東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たしました。
出典:.スパイダープラス「公式サイト」
出典:SPIDERPLUS「公式サイト」
6.テラドローン株式会社
テラドローン株式会社は、ドローンを活用した測量・点検・データ解析サービスを提供する企業です。
創業者の徳重徹氏はシリコンバレーでベンチャー投資の経験を持ち、2016年に同社を設立しました。
同社は全国6支社および海外2拠点を展開し、ドローンによるレーザー測量や写真測量を国内外で実施しています。
自社開発のソフトウェアを活用することで、高精度な3次元図面を短時間で作成できる点が強みです。
大手ゼネコンや建機メーカー、測量会社を中心に400回以上の測量実績を誇りi-Construction分野でも全国トップクラスの実績を有しています。
2022年3月には総額80億円の大型資金調達を実施し、運行管理技術の開発や各事業の成長加速、それらを支える人材採用の強化を進めています。
建設分野だけでなく、インフラ点検や災害対応など幅広い領域への展開を加速させています。
出典:テラドローン「公式サイト」
7.株式会社Arent
株式会社Arentは、ベテラン設計士が持つ経験知や暗黙知を定型化し、現場の設計業務を効率化するソリューションを提供する企業です。
創業者の鴨林広軌氏はMUFGでファンドマネージャーとして活躍した経験を持ち、2012年に同社を設立しました。
同社が開発する「PlantStream」は、現場の熟練者のノウハウをアルゴリズム化した自立型CADシステムです。
産業プラントのような複雑な設計業務を高精度で自動化し、従来は月単位で要していた最適設計を秒単位にまで短縮する画期的なツールとなっています。
2021年11月には総額19億円の資金調達を実施し、大手企業とのジョイントベンチャー設立やプラント建設・運用の効率化促進に向けた投資を行っています。
設計業務における根本的な生産性向上を実現するソリューションとして注目を集めている企業です。
出典:Arent「公式サイト」
出典:PlantStream「公式サイト」
8.株式会社人機一体
株式会社人機一体は「Man-Machine Synergy Effector(人間機械相乗効果器)」というコンセプトのもと、人型重機の研究開発と社会実装を推進する企業です。
立命館大学理工学部のロボティクス学科講師である金岡博士氏が2007年に設立し、2015年に現在の社名に変更しました。
同社はパワー増幅バイラテラル制御技術や力制御技術など、先端ロボット工学における豊富な知的財産を保有しています。
人間の握力をはるかに超える力を発揮する「パワーフィンガー」や、両脚の力を人力の7倍にまで高める「パワーペダル」など、人間の能力を拡張する装置を開発・製造しています。
2022年1月には、りそな銀行系のファンドから資金調達を実施し、油圧フリーの完全電動重機や高所重作業対応の汎用人型重機の開発を進めています。
高齢化が進む建設業界において、ベテラン作業員の技能を身体的負担なく発揮できる環境づくりに貢献しています。
出典:人機一体「公式サイト」
9.株式会社ランドデータバンク
株式会社ランドデータバンクは、AIとデータ分析を活用し、建設業界の資金繰り課題を解決する金融テックサービスを提供する企業です。
2019年に設立され、現在は建設機器大手メーカーでの豊富な経験を持つ濱野秀男氏が代表を務めています。
同社の「立替・決済サービス」は、建設会社にとって深刻な課題である資金繰りの問題を解決するサービスです。
元請企業から支払われる資材費や労務費を最大1億円まで立て替え、最短2週間での入金を実現します。
Web上で手続きが完結し、手数料体系もシンプルで分かりやすい点が特徴です。
2021年11月には登録社数が500社を突破し、同年には京都銀行との業務提携も発表されるなど、建設業界における認知度と信頼性を高めています。
施工会社の財務健全性向上と事業の持続可能性に貢献するサービスとして評価されています。
出典:INCJ「株式会社ランドデータバンク」
10.REMODELA株式会社
REMODELA株式会社は、内装工事における発注者と受注者をつなぐプラットフォームを運営する企業です。
創業者の福本拓磨氏は2013年にFURUEL株式会社を設立した実績を持ち、2020年に同社を設立しました。
同社が展開する「リモデラ原状回復」は、賃貸物件の原状回復工事を希望する不動産管理会社と内装職人をマッチングするクラウドサービスです。
インターネットを通じて手軽に工事を発注でき、職人側もスケジュールの空き時間に対応できる案件を効率的に見つけられます。
2021年3月には約5,100万円の資金調達を実施し、VR関連の新機能開発や全国展開に向けた東京拠点の強化を進めています。
内装工事業界における業務効率化とマッチング精度の向上により、発注者・受注者双方にメリットをもたらすプラットフォームとして成長しています。
出典:リモデラ「公式サイト」
11.BPM株式会社
BPM株式会社は、メンテナンスデータの活用による新しいエコシステムの創造を目指す企業です。
食品メーカーでの勤務経験も持つ桐原康輔氏が2011年に創業し、クラウドシステム開発やフィールドサービス、DX支援などの事業を展開しています。
同社が提供するクラウド型CMMS「Qosmos」は、メンテナンス現場における作業管理や報告業務を効率化するデジタルツールです。
直感的な操作性により現場への導入障壁が低く、あらゆる書類業務をクラウド上で完結できます。
他のシステムとの連携性も高く、既存の業務フローに組み込みやすい設計となっているのです。
2022年3月には東京電力フロンティアパートナーズを引受先とする資本業務提携を締結し、TEPCO iフロンティアズとともに住宅設備機器データを活用した新サービスの共同開発を進めています。
建設業界のみならず設備保守・メンテナンス分野全体へのサービス展開を目指しています。
出典:BPM「公式サイト」
12.株式会社RTプロジェクト
株式会社RTプロジェクトは「コミュニケーションを確信しすべての人を幸せにする」をミッションに、建築現場サポートアプリの開発を行う企業です。
富士フイルムで内視鏡エンジニアとして働いた経験を持つ城山朝春氏が2018年に創業しました。
同社が提供する「GENCHO」は、建築現場における情報共有を劇的に簡素化するアプリです。
撮影・送付・添付という指先一つの簡単な操作で現場の最新情報を関係者に共有でき、現場から戻った後のデータ整理や指示書作成などの事務作業時間を大幅に削減します。
2021年6月にはエンジェル投資家からの資金調達を実施し、建設業界の現場業務をデジタル化する取り組みをさらに加速させています。
出典:GENCHO「公式サイト」
13.株式会社KENZO
株式会社KENZOは、建設業界における現場とデジタル技術の共生基盤を構築する企業です。
薬剤師免許取得後にIT系ベンチャーで活躍した青木陽氏が2020年に設立しました。
同社が展開する「建設PAD」は、建設業界の受発注業務をデジタル化するクラウド型プラットフォームです。
マルチデバイスに対応し、業務請負に関わる手間とコストを削減します。
電子契約法に準拠した電子契約により印紙代を完全にカットできる点も大きなメリットです。
2022年3月には5,200万円の資金調達を実施し、建設PADの機能拡張や販売促進、人材採用への投資を進めています。
建設テック領域を中心に、AIや構造化されたデータを活用した多様なサービス・ソリューションの開発に取り組んでいるのです。
出典:KENZO「公式サイト」
14.株式会社助太刀
株式会社助太刀は、建設現場と職人をつなぐマッチングアプリ「助太刀」を開発・運営する企業です。
創業者の我妻陽一氏は株式会社きんでんで電気工事施工管理業務に従事した経験を持ち、2017年に同社を設立しました。
助太刀アプリは無料で利用でき、工事会社が必要とする職人を迅速に見つけられるマッチング機能を提供しています。
同社はマッチング機能に加えて、正社員採用を支援する「助太刀社員」、工事代金の支払いを保証する「助太刀あんしん払い」、工具の修理・購入ができる「助太刀ストア」など、職人や建設会社のニーズに応える多様なサービスを展開しています。
2019年7月にはスパークスグループからの資金調達を実施し、サービス拡充と組織強化を進めているのです。
出典:助太刀「公式サイト」
15.株式会社トラス
株式会社トラスは、建材の比較検討を効率化するクラウドサービスを提供する企業です。
創業者の久保田修司氏は丸紅で水ビジネスの事業投資に従事し、ヨーロッパや中東などを担当した経験を持ち、2014年に同社を設立しました。
同社が展開する「truss」は、複数メーカーの建材を横断的に比較検討できるプラットフォームです。
仕上げ表の作成や関係者間での情報共有も一元管理でき、プロジェクト全体の建材選定状況をリアルタイムで把握できます。
組織設計事務所やゼネコンを中心に業務効率化に貢献しているのです。
出典:トラス「公式サイト」
16.株式会社ダンドリワーク
株式会社ダンドリワークは、日本の住まいづくりに「人肌を感じられるテクノロジー」を届けることをミッションとする企業です。
関西の建築・不動産会社で10年間勤務した加賀爪宏介氏が2013年に設立しました。
同社の主力製品である施工管理アプリ「ダンドリワーク」は、建築現場における資料や工程表をリアルタイムで共有し、業務改善と生産性向上を実現するツールです。
現場写真、図面、仕様書などの情報を一元管理でき、関係者間のコミュニケーションを円滑化します。
さらに、マンション工事の予約管理アプリ「ITENE」も提供しており、QRコードを活用したWeb予約やスケジュール表の自動生成機能により、工事調整業務の負担を軽減します。
出典:ダンドリワーク「公式サイト」
17.ツクリンク株式会社
ツクリンク株式会社は、建設業の受発注をつなぐプラットフォーム「ツクリンク」を運営する企業です。
大学中退後にWeb制作会社を立ち上げた経験を持つ内山達雄氏が2012年に設立しました。
ツクリンクは、建築系案件の受発注情報をオンライン上で登録・マッチングするサービスです。
発注者はエリア外の優良な協力会社と出会える機会を得られ、受注者は業務エリアを拡大できるメリットがあります。
2021年5月には約3億円の資金調達を実施し、サービスの機能拡充、営業組織とマーケティングの強化、人材採用への投資を進めています。
建設業界における受発注の最適化とマッチング精度の向上により、業界全体の生産性向上に貢献しています。
出典:ツクリンク「公式サイト」
18.株式会社ローカルワークス
株式会社ローカルワークスは「テクノロジーとアイデアで建設業をアップデートする」をミッションに、建設業界の信用情報管理と資金繰り課題の解決に取り組む企業です。
コーポレートディレクションでの経営コンサルティング経験を持つ清水勇介氏が2014年に創業しました。
同社が提供する「ローカルワークスサーチ」は、建設業界向けのB2Bマッチングプラットフォームです。
独自に蓄積した事業者データベースを活用し、信頼できる取引先を効率的に検索できます。
また、「ローカルワークスペイメント」では、建設事業者間の決済代行や回収保証サービスを提供しています。
請求・代金回収業務を代行することで経理部門の負担を軽減し、工事完了後すぐに代金を受け取れる仕組みにより資金繰りの改善も実現します。
2021年5月には約1億3,000万円の資金調達を実施し、サービス拡充と組織強化を進めているのです。
出典:ローカルワークス「公式サイト」
19.nat株式会社
nat株式会社は、iPhone・iPadに搭載されたLidarセンサーを活用した3Dスキャンプラットフォームの構築を目指す企業です。
大手外資系企業でファイナンス業務や経営財務コンサルティングに従事した劉栄駿氏が2019年に設立しました。
同社の中核プロダクトである「Scanat」は、Lidarセンサーを活用した3DスキャニングiOSアプリです。
動画を撮影するだけで計測可能な3Dモデルや写真データを生成でき、点群やメッシュなど多様なフォーマットで出力・共有が可能です。従来のメジャー計測と比較して2%以下の誤差でミリ単位の計測を実現します。
最大の特徴は、LiDAR搭載のiPhoneやiPadのみで高精度な3D計測が完結する点です。
専用機器が不要なため導入コストが低く、現場での利便性も高いことから注目を集めています。
2022年4月にはユナイテッド株式会社からの出資を受け、開発・運営体制の強化を進めています。
出典:nat「公式サイト」
20.株式会社log build
株式会社log buildは、現場情報をリアルタイムで可視化し、建設プロジェクト関係者の作業効率を高めるソリューションを提供する企業です。
住宅事業や店舗事業を手がける株式会社ecomoの代表でもある中堀健一氏が2020年2月に設立しました。
同社が提供する「Log Walk」は、建設現場をVR化し、遠隔地からでも自由に現場内を移動できるツールです。
VR空間上で付箋を貼るような感覚で施工指示を出すことができ、全工程のVRデータをクラウド管理することで、時系列での現場状況の把握も可能になります。
Log Walkに加えて、リモートで現場立ち会いができる施工管理アプリ「Log Meet」や、24時間いつでも現場を巡視できるアバターロボット「Log Kun」なども展開しています。
2021年11月には総額1億円の資金調達を実施し、プロダクトの拡充と市場展開を加速させています。
出典:log build「公式サイト」
まとめ
建設テック分野では、クラウド型施工管理からロボティクス、ドローン測量、人材マッチング、資金調達支援まで、実に多様なイノベーションが生まれています。
今回紹介した20社は、それぞれ独自の視点とテクノロジーで建設業界が直面する課題に取り組んでいます。
デジタル技術の導入は単なる効率化にとどまらず、安全性の向上、働き方改革、技術継承といった業界全体の持続可能性にも貢献します。
自社の課題やニーズに合わせて最適なソリューションを選択し、建設業界のさらなる発展を実現していきましょう。

