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2024.11.03

建築設計業界で使える志望動機例文・熱意とスペックを伝えるポイントを解説

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就職活動のエントリーシートや履歴書を作成する上で、最も頭を悩ませるのが志望動機ではないでしょうか。

建築設計業界は、デザイン力と技術力どちらも求められる業種です。

自身の情熱とスペックをアピールするためには、学校で学んだ知識や前職の経験を志望動機に繋げることが重要です。

本記事では志望動機を書くために押さえて置くべきポイントや、やってしまいがちなNG志望動機を解説します。

また新卒、経験者転職、未経験者転職向けに分類して、具体的な志望動機例文も紹介するので、建築設計業を目指す方に役立つ内容になっています。

ぜひ最後までお読みください。

 

志望動機を書く前に押さえておきたい5つのポイント

 

志望動機の文章を書き始める前に、アピールしたい内容をメモしていきましょう。

ここでは志望動機を作成するために、押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

就職活動に直接的に関係ないように思える事柄でも構いません。

まずは思いつくままに、自分の人生を総括するつもりで書き出していき、その後ポイントごとに内容を整理して、精度を高めていきます。

エントリーシートはフォーマットが決まっている場合が多く、記入すべき字数も様々です。

なるべく欄を埋めることが理想的なので、必ず入れたい内容と字数が余った場合に入れる内容を優先順位を付けて整理しておくと良いでしょう。

 

 

建築設計との出会い

 

まず建築設計に興味を持つようになったきっかけを明確に説明しましょう。

例えば、子供の頃から建物や都市のデザインに魅了された経験や、特定の建築物を見て感銘を受けたこと、大学での学びが刺激となったことなどです。

個人的なエピソードが志望動機を強化します。

この「出会い」の部分は、情熱や建築設計に対する本気度を、採用担当者に伝える重要な要素です。

 

学歴・経験

 

学歴や選考学科、これまでの経験が、建築設計で働く上でどう役立つかを説明します。

大学で建築やデザインに関する勉強をしている場合、その中で特に力を入れた科目や、学びをどのように活かしたのかを具体的に示しましょう。

実際の設計課題制作やインターンシップの経験があれば、志望企業のプロジェクトにどう役立てたいか述べると効果的です。

転職の場合は、より具体的な実績が簡潔にわかるようにまとめましょう。

学歴と経験を結びつけることで、自分がどのように準備してきたかを示すことができます。

 

資格

 

建築設計業界では、資格の有無が採用結果に大きく影響します。

建築士資格やBIMのスキル、CADの使用経験など、資格や技術的スキルは大きな強みです。

建築設計に直接関係のない資格も、必ず記入しましょう。

まだ資格取得の途中であっても、今後取得する予定や現在の準備状況を伝えることで、意欲を示すことができます。

 

志望企業への貢献

 

志望動機では、なぜその企業を選んだのか、自分の知識や技術がどのように志望企業に貢献できるか具体的に語ることが大切です。

企業が取り組んでいるプロジェクトや設計の方向性を研究し、それに自分のスキルや経験がどう役立つのかを結びつけましょう。

例えば企業が環境に配慮し、持続可能な建築設計を重視しているなら、取得科目や研究内容をその分野に関連づけて説明すると、志望動機に根拠が加わります。

 

キャリアビジョン

 

最後に、自分のキャリアビジョンを明確に示すことも重要です。

建築設計のどの分野に、どのポジションで携わりたいのか、どのような成果を出したいかを具体的に描きます。

志望企業で働くことがそのキャリアビジョンとどのように一致するのかを示すことが大切です。

自身の成長だけを希望条件にすることはNGですが、採用条件として候補者のキャリアビジョンと企業の方向性が合っているかを重視される傾向があります。

 

研究不足では受からない!NG志望動機

 

毎年多くの志望動機に目を通す採用担当者は、候補者の勉強不足を瞬時に見抜きます。

「自己分析・企業研究・建築設計業界研究」の3点が充分でないと、受かる志望動機は書けません。

面接に進んだ場合には志望動機に書いたことを、さらに詳しく質問されることを想定して、様々な角度からしっかりと研究しましょう。

ネット上で検索するだけではなく、実際に現地を見る、人から話を聞く、書籍を読むなど経験を積むことを意識してください。

 

 

自己分析不足の志望動機

 

自己分析不足のまま書かれた志望動機では、一次選考を通過することは難しいでしょう。

志望動機の最も重要な役割は、採用担当者に「この候補者に会って話をしてみたい」と思わせることです。

そのためには、自己分析を通じて、自分の強みや価値観をしっかりと理解し、自身の人間としての魅力をアピールできることが重要です。

自己分析が不十分だと「コミュニケーションが得意」「責任感がある」「粘り強い」といった、ありきたりな表現しかできず、他の候補者との差別化ができません。

自己分析で得た自分の強みや経験を、企業が求める人材像や業務内容にどう活かせるかを関連付けることにより、説得力のある志望動機が完成します。

 

企業研究不足の志望動機

 

NG例として挙げられる「御社の経営理念に感銘を受けました」といった、中身のない志望動機は企業研究不足の現れです。

企業理念は一般的に、キャッチコピーのような形で抽象的な印象を受けることも多いのですが、文言を暗記するだけでは意味をなしません。

その企業が携わるプロジェクトと関連付けて、どのように感銘を受けたのか、自分の言葉で語れるように準備しましょう。

最低でもホームページに掲載されている建築物は把握し、可能であれば現地を訪れて観察することをおすすめします。

また「弊社ではなくて同業他社でも良いのではないですか?」という質問に対して、この企業でしかできないプロジェクトを挙げ、自分のスキルをどのように活かしたいか考えておくことも重要です。

 

建築設計業界研究不足の志望動機

 

志望企業について詳しく知っていても、建築業界全体に対する理解が浅いと、説得力のある志望動機を書くことは難しいでしょう。

建築設計業界は常に進化しており、環境に配慮した建築やスマートシティ、サステナブルデザイン、BIMの導入といったトレンドが急速に変化しています。

さらに、コロナ禍や頻発する自然災害、世界各地の紛争は建築設計業界に大きな影響を与えており、人材不足や資材の高騰といった問題が現場で働く人々にとって大きな課題となっています。

これらの業界全体の変化や課題を理解し、企業がどのような方向性で対応しているのかを把握しておくことは、非常に重要です。

また、業界全体を研究することで、それぞれの企業の特色や得意分野がより明確になり、競合他社と比較して、なぜこの企業を選んだのか、その理由に具体性を持たせることができるでしょう。

 

就職パターン別・志望動機例文

 

志望動機は単なる自己紹介や研究発表の場ではありません。

自分の経験や資格、性格や行動パターンが、企業にどう貢献できるかというプレゼンテーションになるよう留意します。

書き出しは「なぜこの企業で働きたいか」という結論から入るのが良いでしょう。

志望に至ったエピソードやスキルなどを書き、最後は「〇〇を活かして、貴社の〇〇に貢献したいと考えております。」とまとめます。

300文字程度でデフォルトを作成しておき、状況に応じて字数を増減できるように準備しましょう。

 

 

志望動機例文①新卒

 

私が貴社を志望する理由は、意匠性と安全性に優れた競技場を設計し多くの人々に感動を与えたいと考えているからです。

3歳からサッカーを始め、日本各地のスタジアムを訪れるうちに、建築士を目指すようになりました。

現在〇〇教授のゼミで構造設計を学びつつ、サッカーサークルや家庭教師のアルバイトにも取り組み、マルチタスクをこなす対応力と体力には自信があります。

また二級建築士の学科試験に合格し、製図試験の準備中です。

将来的には構造設計一級建築士の取得を目指しています。

建築設計の現場では、コミュニケーション能力やリーダーシップが不可欠であり、私の経験が役立つと確信しています。

貴社の「斬新なデザインかつ人に優しい建築」という理念に、構造設計の専門性を高めることで貢献したいと考えております。

 

志望動機例文②建築設計業経験者

 

現職のハウスメーカーでの住宅設計経験を活かし、公共施設の設計に挑戦したいと考え、貴社を志望いたしました。

納期や予算を考慮しながら、お客様のニーズに最大限に応えることは、チャレンジの積み重ねであり、また大きなやりがいです。

今後は、貴社が手がける学校や図書館などの公共施設で意匠設計を追求し、集まる人々が幸せになる空間を創りたいと考えています。

現職で取得した二級建築士とインテリアプランナーの資格に加え、来年度の一級建築士資格試験に向けて勉強中です。

これまで培ったコミュニケーション能力を活かし、地域の拠点となる建築物づくりに貢献したいと思います。

 

志望動機例文③建築設計業未経験者

 

貴社を志望した理由は、クライアントの希望に寄り添い、理想の住まいを追求する姿勢に共感したからです。

総合大学の工学部建築学科を卒業後、現在は不動産仲介の営業として2年間業務を行っています。

新築やリノベーション、戸建、マンションなど多様な住宅に携わり、改めて家づくりに挑戦したいと強く感じ、転職を決意いたしました。

貴社であれば、設計図を書いて終わる仕事ではなく、施工中、引き渡し後までクライアントとの関係を築く仕事ができると確信しております。

現職では宅地建物取引主任者の資格を取得し、今後は二級建築士資格の取得を目指しています。

土地取得や建築確認に関する法的知識や、クライアントや職人との交渉で培ったコミュニケーション能力を発揮することで、貴社の設計プロジェクトに貢献したいと考えています。

 

まとめ

 

就職活動における志望動機は、情熱やスキルを採用担当者に伝える最も重要な要素です。

たった300文字程度の文章ですが、建築設計業を志したきっかけ、志望企業への貢献意欲、そして明確なキャリアビジョンを持って、自分をどう表現するかが鍵となります。

また、業界や企業に対する理解不足や自己分析の欠如は、志望動機の失敗要因となります。この記事で紹介したポイントと例文を参考に、自分の強みを最大限に活かした志望動機を作成して採用を勝ち取りましょう。

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