建築業界のリアルな情報や就職・転職活動で役立つ情報を紹介します。

お役立ち情報

2024.10.09

建築設計職の志望動機は何が正解?採用担当者を魅了する志望動機の作り方

サムネイル

「建築設計の仕事に就くには、どんな志望動機を書けば良いんだろう?」

「他の人と比べて自分の志望動機は弱い気がする」

そんな風に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

建築設計職の志望動機は、ただ単に「建築設計が好き」というだけでは不十分です。

企業は応募者の熱意や具体的な目標、そしてなぜ自社なのかを明確に伝えられる人材を求めています。

この記事では、建築設計職の志望動機の書き方や、採用担当者が求める人物像について解説します。

あなたの魅力を最大限にアピールできる志望動機を作成するために、ぜひ参考にしてください。

 

思わずやってしまいがちなNG志望動機

 

就職活動で、志望動機は企業が志望者の人物像を判断する上で非常に重要な要素です。

ここでは、良くない志望動機の例を4つのパターンに分けて詳しく解説します。

例えば「自分本位な考え」「どの企業でも良い」というような気持ちが伝わる志望動機は、敬遠されがちです。

こうした考え方は本音として理解できるものですが、そのまま表現するのは避けた方が賢明でしょう。

 

 

どの企業にもあてはまる志望動機

 

企業の特性や強みを捉えていない、ありきたりな表現は避けましょう。

これでは他社にも同じようなことを言っていると受け取られ、熱意が全く伝わりません。

また個別の企業研究を怠ると、勉強不足の印象を与えてしまいます。

 

【NG例】

「御社の企業理念に共感しました。」

「御社の成長性に興味を持ちました。」

 

待遇だけを優先した志望動機

 

給与や福利厚生、勤務時間などの待遇面ばかりに目を向けた志望動機も嫌煙されがちです。

よりよい待遇を求めるのは誰でも同じです。

その中でも自社の利益になる人材と認めてもらうには、企業への貢献意欲の高さをアピールするようにしましょう。

 

【NG例】

「御社の福利厚生が充実しているところに魅力を感じました。」

「リモートワークの環境が整っているという話を聞き、応募しました。」

 

スキルアップだけを目的にした志望動機

 

建築設計の仕事は多岐にわたり、経験や資格取得が非常に重要であることは確かです。

しかし将来的な転職や独立を視野に入れて、業務を「踏み台」として利用する考えを前面に出すのは避けるべきです。

また企業から一方的に学びたいという姿勢は、受動的で主体性に欠けると判断される可能性もあります。

プロフェッショナルとして成長するためには、企業と共に歩む姿勢や、自ら積極的にスキルを高める意欲を示すことが重要です。

 

【NG例】

「資格支援制度を利用して、〇〇の資格を取得したいです。」

「御社の再開発プロジェクトが、大型建築の経験になると思ったからです。」

 

具体性のない志望動機

 

志望動機が抽象的で、具体的なエピソードや根拠が不足している場合、採用担当者に熱意を伝えるのは難しくなります。

特に建築設計の分野では、オリジナリティや物作りに対する姿勢が重視されるため、具体性が非常に重要です。

「具体的な事例を挙げて下さい」「なぜそう思ったか教えて下さい」と深堀りされて答えられないような志望動機は、むしろマイナスの印象を与えてしまう恐れがあります。

具体的な経験や思考を明確に伝え、説得力のある志望動機を作ることが成功の鍵です。

 

【NG例】

「建築を通して社会貢献をしたいです。」

「御社の建築物が好きなので、自分も携わってみたいです。」

 

強い志望動機の作りの3ステップ

 

建築設計職の志望動機で「大学で設計を学んだ」「物づくりをしたい」だけでは、熱意や人間性を伝えるのは難しいでしょう。

自分の強みと企業の特性の両方を理解した上で志望動機を作ることが重要です。

ここでは、強い志望動機を作るためのステップを、「自己分析」「建設設計の業界研究」「企業理念とのマッチング」の3段階に分けて解説しました。

 

 

自己分析

 

まず、なぜ建築設計の道を志すのか、その根源を掘り下げてみましょう。

建築設計に興味を持ったきっかけ、学生時代に力を入れたこと、そして挫折や失敗も含めた経験を時系列で整理することで、自身の「なぜ?」に対する答えが見えてきます。

建築学科の学生全員が建築設計業界を目指すわけではありません。

自分ならではの、建築設計にこだわる理由を明確にすることが大切です。

具体的なエピソードを交え、熱意を伝えましょう。

 

建築設計の業界研究

 

第一志望の企業だけでなく、建築設計業界全体についても深く理解しましょう。

業界の歴史、社会における役割、そして将来の展望と課題まで、幅広く視野を広げることが重要です。

業界研究に基づいた志望動機は、単なる熱意だけでなく、業界全体への深い理解を示し、企業にとって魅力的な人材であることをアピールできます。

また業界の動向を踏まえた志望動機は、「長くこの業界で活躍したい」という前向きな姿勢を示せます。

 

企業理念とのマッチング

 

志望企業のパンフレットやホームページで、企業理念や経営者のインタビューを必ず確認しましょう。

さらに一歩進んで、実際に建築物を訪れてみることをおすすめします。

完成した建物の中で、人々がどのように過ごしているかを観察することで、企業理念がどのように形になっているのかを肌で感じることができます。

設計図やパース、模型など入手できる情報があれば、隈なく研究しましょう。

あなたの経験やスキルが、企業の目標達成や発展にどのように貢献できるのかを具体的に説明することで、企業との相性をアピールできます。

 

建築設計職の就活に有利な資格

 

一級建築士

 

建築設計職で最も有用な資格と言えるのが一級建築士です。

取得すると設計できる建物に制限がなくなり、タワーマンションや商業施設といった大規模な建築物から、スタジアムや美術館などデザイン性の高いプロジェクトにも携わることができます。

就職の選択肢も、設計事務所にとどまらずゼネコン、ディベロッパー、ハウスメーカーなど、幅広い業界へと広がります。

特に注目すべきは、令和2年から受験資格が緩和された点です。

大学や専門学校で指定科目を修了していれば、卒業後すぐに実務経験なしで受験できるようになりました。

とはいえ、一級建築士の資格試験は依然として高難度です。

学科試験と製図試験の両方をクリアできる合格率は約10%と低く、簡単には取得できません。

さらに、合格後も2年以上の実務経験を積み、登録を完了して初めて「一級建築士」を名乗ることができるため、数年単位の長期的な計画が必要です。

難関資格である分、取得できれば就職活動で大きなアドバンテージを得られる資格であり、建築設計業界でのキャリアアップにおいても非常に有利な武器となります。

 

二級建築士

 

二級建築士は、高さ13m、軒高9m、延べ面積1000㎡までの木造建築物の設計が可能な資格です。

令和2年から受験資格が緩和され、工業高校などで指定科目を修了すれば、実務経験なしでも受験ができるようになりました。

一級建築士と比較すると設計できる建物に制限はありますが、個人住宅に関しては二級建築士でも十分に対応可能です。

特にハウスメーカーや個人住宅を専門とする設計事務所であれば、二級建築士の資格でも業務に支障をきたすことはありません。

また二級建築士資格は一級建築士の受験資格にもなるため、まずは二級建築士から目指すことで効率的なキャリア形成が可能です。

 

宅建

 

宅地建物取引士(宅建)は、不動産業界で広く知られている資格ですが、実は建築設計職の就職にも非常に有利です。

建物を設計する際には、適切な土地選びや法令適合性の確認が必要であり、これらのスキルは建築士にとっても重要です。

もし建築士資格に加え宅建資格を保有していれば、デベロッパーや不動産会社、ゼネコンなど、就職先の選択肢がさらに広がります。

また、宅建には学歴や実務経験が不要で、学科試験も選択方式のため、建築士資格に比べて取得のハードルは低いと言えます。

学生や働きながらでも取り組みやすい資格ですので、挑戦してみる価値は大いにあるでしょう。

 

CADオペレーター

 

CADオペレーターは、コンピュータを使って設計図を作成する専門職です。

CAD(Computer Aided Design)は、設計者やデザイナーが描いた設計図をソフトウェアで図面化するツールです。

建築だけでなく自動車や機械、電機などの製造業でも幅広く利用されています。

CADオペレーターとして働くために必須の資格はありません。

しかし「建築CAD検定」や「2次元CAD利用技術者試験」などの資格を取得しておくことで、スキルがあると証明できます。

特に設計事務所や建設会社での就職では、即戦力として評価されるため、資格取得はおすすめです。

 

面接につながる志望動機の書き方

 

自己分析や企業研究がしっかりできたら、実際に志望動機を書いてみましょう。

重要なのは、採用担当者にあなたの熱意や人柄、そして企業への理解が伝わることです。

ここでは、オリジナリティあふれる志望動機を作成するための3つのヒントを紹介します。

 

 

志望動機の書き出し・締めくくり

 

志望動機の書き出しは、面接官の興味を引き、話をもっと聞きたいと思わせることが大切です。

具体的なエピソードを交えると効果的で、「貴社の〇〇区開発プロジェクトに足を運び…」といった具合に、実際に体験したことや調査した内容を盛り込むと説得力が増します。

締めくくりには、あなたの経験やスキルをどう活かしたいかを強調しましょう。

「大学で専攻している耐震構造の研究を、貴社の企業理念である『災害に強いまちづくり』に活かしたい・・・」など具体的な内容で、企業への貢献意欲を伝えることがポイントです。

 

自分の言葉で語れる志望動機

 

「御社の企業理念に共感」「自分を成長させる」など、ありきたりな表現は避けるべきです。

志望動機は自分が感じたことや経験したことを基に、自分自身の言葉で書くことが大切です。

経験やスキルを誇張することなく、ありのままをアピールすることで、より真摯な印象を与えることができます。

採用担当者は多くの応募書類を見ているプロフェッショナルです。

嘘や誇張はすぐに見抜かれるため、誠実さをもって自分を表現しましょう。

自分自身を正直に伝えることで、熱意と信頼感を感じてもらうことができます。

 

相手の質問を引き出す志望動機

 

優れた志望動機は、「この志望者に会って話を聞いてみたい」と思わせるものです。

経歴や資格からはスキルが見えますが、採用担当者が知りたいのは、その人の人間性や一緒に働きたいと思えるかどうかです。

具体的なエピソードを交え、自分の意思や成長過程を語ることで、「その経験についてもう少し詳しく聞きたい」と思わせるよう意識してください。

例えば、「学生時代に取り組んだプロジェクトで〇〇に挑戦し、その経験から〇〇の重要性を学びました」と書けば、面接でその経験についての質問が期待できるでしょう。

 

まとめ

 

建築設計職の志望動機で、採用担当者の心を掴むためには、自分の強みや経験を具体的に示し、企業への貢献意欲を伝えることが大切です。

自己分析と企業研究を入念に行って、面接につながる強い志望動機を作成してください。

この記事をシェア

tag